全国単位日青会会員各聖
全国日蓮宗青年会会長 光岡潮慶
ビハーラ活動担当委員長 近澤岳生
第13回「ビハーラ活動実践講座」 報告
平成21年1月22・23日 日蓮宗宗務院4・5階にて、日蓮宗ビハーラ・ネットワーク主催による「ビハーラ活動実践講座」が開催されました。全国各地よりビハーラ活動実践の為の基礎的な知識や具体的な方法を学ぶ事を目的として、定員の30名(40歳以下は9名)が参加されました。一泊二日の講座で聴講する内容は下記の通り大変多いカリキュラムになっておりますが、どの講演も僧侶として社会教化活動には必要な知識だと思います。講演内容は日蓮宗ビハーラ・ネットワークのホームページに掲載する予定(2月中旬頃)です。
【1月22日(木)】
「仏教経典に見るビハーラ精神」東京都常圓寺住職古河良晧師
1.ビハーラとは
2.ビハーラの用語の解説
3.仏教諸経典に見るビハーラの精神
4.仏教に説くビハーラ活動の理念
5.法華経に説くビハーラ活動の理念
6.仏教の生命観
7.ビハーラ活動の実践に向けて
「日蓮聖人のビハーラ精神」「富木尼への教導」東京都妙経寺住職山口裕光師
日蓮聖人のビハーラ精神
1. よろこび:病者や高齢者にとっての生きる喜び、法華経信仰による法悦を示す。
2. はげまし:病や高齢化に伴う諸問題に励ましを与える。
3. やすらぎ:心の安らぎを求める事の大切さと方法を示す。
4. 安心:誰もが避け得ない死を見つめ、現世と死後の安心を示す。
富木尼への教導
1. 尼の略伝
2. 関係御書
「ビハーラ活動の歴史と現状」京都府常照寺住職 奥田正叡師
1. 飛鳥・奈良時代:律令制下の医学・看護
2. 平安時代
3. 鎌倉時代:医療施設・看護事業が僧侶により行なわれる
4. 安土桃山時代
5. 江戸時代:檀家制度により僧侶の伝道活動衰退
6. 明治時代:西洋医学の流入で仏教と医療が分離
7. 現代:日本的ホスピスの為、仏教者も医療現場に参加
8.宗立ビハーラ本願寺病棟の現状
「ビハーラ活動とカウンセリング」「ロールプレーイング」東京都長久寺住職 渡部公容師
1. カウンセリングの基礎知識
2. 相手の話を聞く時に
3. 相談の基本原則
4. ビハーラ活動とカウンセリング
5. ロールプレーイングについて:カウンセリングの基本
【1月23日(金)】
「終末期に於ける医療と宗教」愛知県大光寺修徒 村瀬正光師
1. 自己紹介
2. ビハーラの定義
3. 長岡西病院ビハーラ病棟
4. 仏堂・ビハーラ僧の役割
5. 医療現場での僧侶の実際と評価
6. 医療と宗教に関するアンケート
7. 終末期医療への意識
「お見舞い・千代見草」秋田県本澄寺住職 柴田寛彦師
1. 末期患者と遺族をケアする仏教の智慧
2. 終末期医療と臨終正念
3. 人生の目的(仏教徒として)
4. 尊厳ある死とは
5. 仏教に何を求めるか
6. 菩薩行としてのビハーラ活動
7. 病床での心構え(千代見草)
8. 黙唱行のすすめ
「ビハーラ活動の実践を通して」東京都妙徳教会担任 今田忠彰師
1. 私のビハーラ活動の原点
2. 現実的な(採算がとれる)対応を研究
3. 介護現場の問題点
4. 在宅介護の現場から
5. グループホームの現場から
6. 行政の立ち遅れ
7. お見舞いの心得
8. あなたも明日からビハーラ活動
「看護・介護の実践」愛知県道心寺修徒 林妙和師
1. ビハーラ活動の実際:取り組みの紹介
2. 介護の現場からのメッセージ:事例を通して
3. 実習:高齢者疑似体験・認知症疑似体験・介護技術のワンポイント
「グリーフケア」長野県大法寺住職藤 塚義誠師
1. 悲嘆に影響する因子
2. 悲嘆のプロセス
3. 喪失に気づく
4. 引き籠り
5. 癒し
6. 再生