現代社会への復権を図る宗教界のために

今、日本の宗教者が、現代社会に対し、本気になって伝道を試みるとすれば、先ず「宗教対話」の思想的な意味が熟知されない限り、それは不可能なのです。この意味が、現代日本の宗教界における教師には、容易に理解されることがありません。この事ほど、日本の宗教界にとっての大きな痛手はないのです。日本の近未来が危い理由のひとつも、そこにあります。

開催日  平成20年 9月30日(火)

時 間
受 付   12:30
講座開始  13:00  講座終了 17:30
懇親会   17:45   終 了  19:15
場 所 KKRホテル大阪 (14F オリオン)

【主 催】
国際永久平和祈念祭典協議会

【進行スケジュール】
13:00 開会ご挨拶 主催者協議会より開会挨拶
13:10 基調講演   上田 閑照 先生
15:10  休  憩
15:25 質疑応答   受講者の方々との意見交換

【コメンティター】
上 田 閑 照 先生
幸 日出男 先生

【コーディネーター】
      竹 内 日 祥 上人

17:25 閉会ご挨拶 主催者協議会より御礼挨拶
17:30 講座終了
17:45 懇親会
19:15 終了

基 調 講 演
「理解し合うことと通じ合うこと」
- 宗教対話に向けて -

諸宗教の間の出会いにおいて、当事者にとっては、あらためて「宗教とは何か」が問題になります。これは更に「人間とは何か」、「人間として生きるとはどういうことか」という根本的な問になってゆきます。向い合って共にという人間のあり方の充実のために、私たちに何が求められているか。この問題を、東洋と西洋の「間」で思索の努力を尽くした京都学派の西田幾多郎と西谷啓治の伝統に沿って、具体的に考えてみたいと思います。

【講  師】
上 田 閑 照 先生〔 京都大学名誉教授 〕

1926年東京生まれ。1949年京都大学文学部哲学科を卒業(宗教学専攻)。更に大学院で宗教哲学を学ぶ。1959年から1962年までフンボルト財団研究奨学生として西ドイツ、マールブルグ大学に留学、同大学より「エックハルト研究」により哲学博士号を受ける。1976年には京都大学より「東西神秘主義の研究」で博士号を受ける。高野山大学、京都大学教育学部勤務を経て1972年京都大学教育学部教授、1977年京都大学文学部(宗教学)となり、現在、京都大学名誉教授、日本学士院会員。学会においては、日本宗教学会会長、日本学術会議会員、東西宗教交流学会会長、更にコルモス(現代における宗教の役割研究会)会長、西田哲学会会長等を歴任。ドイツ語圏の諸大学における度重なる客員講義を通して、東西の思想・宗教の出会いを実存と思索の場所とする宗教哲学が生涯の課題となり、西田幾多郎、鈴木大拙、西谷啓冶を導きとしてこの道を歩む。主な著作に「禅仏教 根源的人間」(筑摩書房)、「宗教への思索」(創文社)、「マイスター・エックハルト 異端と正当の間で」(講談社)、「西田哲学への導き 経験と自覚」(岩波書店)「実存と虚存 二重世界内存在」(筑摩書房)、「大拙の風景 鈴木大拙とは誰か」(共著 燈影舎)、「私とは何か」(岩波書店)他があり、諸著作は「上田閑照集」(全十一巻 岩波書店)にまとめられている。

【コメンティター】
幸 日出男 先生 〔 同志社大学名誉教授・日本キリスト教協議会(NCC)宗教研究所前所長 〕

1926年 東京生まれ。小学生、中学生時代を日本植民地下の朝鮮半島釜山ですごす。1948年京都大学文学部哲学科卒。四国学院大学、同志社大学で教壇に立ち、85年からNCC宗教研究所長として、キリスト教と諸宗教の交流・対話に取り組む。著書「キリスト教と日本」(ルガール社)、「宗教の歴史」(創元社)など。キリスト教入信は中学時代、日本基督教会釜山教会にて受洗。現在、日本キリスト教会香里園教会会員。

【コーディネーター】
竹 内 日 祥 上人 〔 宗教法人妙見閣寺代表役員・ドイツ大聖恩寺理事長 〕

国際永久平和祈念祭典協議会総監督・専務理事、統合学術国際研究所理事長。2000年6月にドイツハノーバー万博会場にて「対話と統合の原理」のテーマでシンポジウムを開催。5ヶ国34名の学際的研究者が集い、境界領域のテーマをめぐり提言をまとめた。そのシンポジウムの成果を踏まえ、2003年5月に日本で「統合学術国際研究所」を設立。2007年10月にドイツ統合学学会を設立。
21世紀における新たな人類の為の「知」の地平を切り拓く「統合学」の樹立に向けて研究活動が開始された。

第5回「宗教対話」学習講座 第5回「宗教対話」学習講座 第5回「宗教対話」学習講座