結集の様子
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第四十三回全国日蓮宗青年僧北海道結集札幌大会」を終えて
全国日蓮宗青年会事務局長 釋 英義
去る五月二十三日(月)・二十四日(火)の両日、札幌市内のホテルを会場に「第四十三回全国日蓮宗青年僧北海道結集札幌大会」が開催された。平成八年以来、九年振りの北海道開催となる本大会には、全国より三十三単位日青会、二百十余名の青年僧が集い、北の大地に御題目の声を響かせた。
五月二十三日(月)朝、目が覚めると小雨が降っていた。大会準備の為、前日より札幌に入っていた全員が夢なら覚めて欲しいと思ったに違いない。しかし、人は逆境でこそ真価を発揮するというが、この雨が皆の心をまとめた一つの要因であったと私は思う。
受付を済ませ、行脚用の衣帯を着け、ある者はビニールの袋を利用した防水カバーをうちわ太鼓に被せ、ある物は雨合羽を手に開会式に臨んだ。田中文耀実行委員長の開会宣言に続き、全国日青三浦海慧会長導師による法味言上。宗務院より田端義宏伝道部長、そして地元来賓各聖の祝辞を賜り、大会日程や行脚の説明を受ける。記念撮影が済み、はやる気持ちを抑えつつホテル前にて整列、いよいよ本大会のメイン行事である行脚がスタートした。今回の行脚は参加者を二つのコースに分け、同時に出発して札幌市街中心部を街行く人に教箋を配りつつ脚鼓唱題、まったく異なる道のりながら二コース同時に「北海身延」経王寺に到着するという大変難しい形であったが見事に成功、大会役員のみならず参加者の熱い思いを象徴するかのように、雨天の行脚にもかかわらず到着後に配られたタオルで拭き取ったものは雨ではなく、滴り落ちる汗であった。
ホテルへ戻り、懇親会へと席を移す。二百名を超える参加者が一堂に会した壮大な懇親会であった。地元先輩各聖のスピーチに耳を傾け、普段会うことのできない旧友や共に修行を重ねた仲間と膝を交えて懇親を深め、明日への英気を養った。
二日目は記念講演と全国日青代表者会議並びに総会が執り行われた。記念講演ではBAC仏教救援センター理事長の伊藤佳通上人をお招きし「花の種はこころの種」という演題のもと、上人が積み重ねてこられた数多くの国際協力経験を交えながら、広い視野を持って活動していく事の大切さをお教えいただいた。代表者会議では、本年三月加盟した兵庫東部日青会の村尾雄志会長を議長に昨年度の会務報告や決算が承認され、特に多発する自然災害による被災寺院や被災地への対応や、五月に行われたニューヨーク海外布教についての報告がなされた。本年度については規約改正(「委員長」が「会長」、「副委員長」が「委員長」へと改正)による執行部人事や、行学道場の開催、海外布教等の推進と予算案が承認された。また、十八年度の身延山結集については期日を五月二十日(土)・二十一日(日)とし、檀信徒と共に開催する旨の説明がなされた。議事終了後には各単位日青会より活動報告やPRが交わされ、他の日青会の活動を知る事ができた。閉会式では、三浦会長より身延山結集齋藤順昭実行委員長へ委嘱状、結集事務局長となる望月浄教山梨日青会長へ助成金が手渡され、田中実行委員長による閉会宣言にて二日間の日程は盛会のうちに幕を閉じた。
昨年の秋田結集にて現執行部が始動して早一年、事務局長として様々な活動や全国各地のブロック結集に参加し、たくさんの青年僧と触れ合い感じた事、それは例え表現や行動の方法が違っても、その根底にある、日蓮大聖人から連綿として受け継がれてきた熱い思い、そしてその思いの行き着く先は「立正安国、仏国土顕現」であるという事。
デジタル化が進み、混迷を深める世情の中、多岐に亘る活動を求められる青年僧。本大会のテーマであった「開拓地から心の開拓地へ」の文底にある「現代人の乾いた心に潤いを」与えんが為に新たな一歩を踏み出す我々が、その活動に悩み、行き詰ったとしても、同じ思いを持って活動している仲間が全国にいる事、そしてその思いの懸け橋が全国日青である事を改めて感じた結集でありました。
本大会開催にあたり、有意義な大会にすべく会議に会議を重ね、法務を擲って御尽力されました田中実行委員長を始めとする北海道ブロック日青会各聖、そして物心両面に亘り御高配を賜りました先輩各聖、関係各位、更には全国日青の活動に御理解と御協力を賜ります各聖各位に衷心より御礼申し上げ、「第四十三回全国日蓮宗青年僧北海道結集札幌大会」無事円成の御報告と致します。