全国日青ロゴ

 

みちのく結集報告

全国日蓮宗青年会(佐野前延委員長、以下全日青と略す)は、6月28、29日の両日、山形市のホテルキャッスルをメイン会場に「第38回全国日蓮宗青年僧みちのく結集in山形」(畑栄明実行委員長)を開催した。「火種を消すな 火種を灯せ 火種となろう」を大会理念とし、全国各地から217名という多数の青年僧が集結した。

yama4

行脚出発を前に挨拶する佐野委員長

yama3

市中行脚に出発

初日は山形駅前を中心とした市街地を4班に分かれて唱題行脚。山形史上初ともいえる大行脚が展開された。

行脚終了後はジャーナリストの乙骨正生氏による記念講演。講演は「立教開宗に望むもの~宗教と政治の視点から~」と題し「独善的な教義を持つ宗教団体の存在と社会的危険性。その教義の中でいわいるマインドコントロールされている信者の存在。子供の頃から独善的な教えの中で育ち、視野の狭いまま大人になって社会の主要なポストについていくことの危険性。そして、本当に正しい教えが必要であること。」を自己の体験と微細にわたる取材で培われたデータを元に熱弁された。最後に青年僧への期待を述べられた。公演後聞いていた青年僧たちは自己の信仰への確信と新たなる布教への熱意が沸き起こったと話していた。

2日目は早朝6時より前日の行脚コースを清掃奉仕。出勤途中の方々から「昨日、太鼓を叩いておられたお坊さんですか?有り難うございます。ごくろうさまです。」等の言葉を戴いた。
元来、山形の地は念仏信仰が盛んであり、お題目はなかなか浸透していない面もあった。事前準備の段階では「はたして受け入れられるか?」という疑問の声も上がったという。しかし今回の行脚は新たな下種結縁に他ならないと、参加した青年僧自身がその確信を得たようであった。
その後、午前8時30分より代表者会議と総会を開催。
今回の結集は、「行動からはじまる!」をスローガンとした佐野委員長の集大成であり、退任にあたって佐野委員長は次のように述べた。

yama2

代表者会議

yama5

総会で佐野委員長の最後の挨拶

「日蓮聖人御教示の行学二道に励めとの御遺言は、行動せよともとれます。我々執行部は全日青組織の再構築を目指して今日まで精進してきました。会員各師のお陰で様々な事業並び法華信仰啓蒙を遂行出来ましたことは会議資料にある通りです。本当に有り難うございました。御題目は唱えるのでなく祈るのです。これによって日青晴れとも詠われた証が今日の好天をもたらしました。今後も絶対なる信仰心を持っての伝道をよろしく願います。外出禁止令や禁酒禁煙令、宴席簡素化等を出したりと大変厳しく運営させて戴きましたが、よく理解して下さいました。心より2年間の御協力に厚く御礼申し上げます。」

そして、佐野委員長は新委員長へバトンを渡すべく「東京宗柏寺修徒・伊藤順正、右者全国日蓮宗青年会第24代委員長に任ずる」との辞令を読み上げ、歴史ある全日青旗を手渡し2年間の任期を無事満了した。
これを受けて伊藤委員長は次のように所信表明を行った。

yama6

佐野委員長から伊藤新委員長へ辞令伝達

yama7

つづいて歴史ある全日青旗伝達

「全日青の魂は変わりません。私は、今回の結集行脚の為、自坊を出る寸前に団扇太鼓を手にして驚きました。前執行部より梱包されていた備品のその太鼓には大きく布教家連盟と記されていたのです。この連盟こそ師父が若き頃仲間と作った団体で今は存在していませんが、おそらく全日青と合併したのでしょう。今年5月師父は三回忌となりましたが、頑張れよと叱咤された気がしてなりません。因縁とはこのような形で表されることもあるのです。1人より2人の精神で精進してまいりますので、変わらぬ御理解と御協力を御願い致します。」

yama1

伊藤新委員長の所信表明

さらに宗祖の異体同心の御教示を受けて、全日青一丸となって立教開宗七五〇年正当に向けて邁進する決意を語たり、参加青年僧217名の大拍手をもって、みちのく結集は終了した。

前事務局長 本田元秀記